法務省|法務大臣閣議後記者会見の概要【令和6年6月7日(金)】

 今朝の閣議ですが、法務省案件としては、質問主意書に対する答弁書が1件、閣議決定されました。
 続いて、1点だけ私から御報告申し上げます。
 令和5年の通常国会で成立しました改正入管法が、来週の月曜日、6月10日をもって全面施行されます。
 主な項目として、在留特別許可制度の適正化、監理措置制度の創設、送還停止効の例外、より適正な被収容者の処遇の実施、そして、自発的な出国を促すための措置などに関する規定が施行されることになります。
 この改正入管法の趣旨は、繰り返し、齋藤前大臣も説明されておられますように、共生社会を作るための基礎を成す制度であるということです。
 外国人と、それを受け入れる日本人の間の信頼関係をしっかりと固めていこう。それが一番大きな趣旨・目的だと思います。
 齋藤前大臣も、去年の9月12日が法務大臣としての最後の記者会見だったと思いますが、そこで繰り返しこうした御説明をされていました。
 「日本人と外国人が信頼関係で結ばれて、共に手を携えて共生社会を作っていくということが極めて大事だと思っています。日本に在留する外国人に、不法滞在や重大な前科がある、そういう外国人が増え続けますと、日本人が外国人を不信の目で見るようになってしまうということを、私は共生社会の実現を阻害するものとして何としても防がなければならないというふうに思っています。そういう意味では、改正入管法は、ルールに違反した者には厳正に対処すると同時に、保護すべき者は確実に保護するという意味で、こういった共生社会を実現するに当たっての基盤を作る重要な制度改正だと思っていますので、これから施行、そして運用という局面に入っていくわけでありますが、今、私が申し上げたような日本人と外国人が信頼し合いながら共に共生社会を作っていくということがしっかりと確保されるように運用していかねばならないと心しているところであります。」
 この改正入管法で御苦労され、様々な議論の中心で頑張ってこられた齋藤前大臣の御言葉ですので、しっかりと我々もこの趣旨をもう一度胸に置いて、6月10日以降、この趣旨がしっかりと生かされるような執行を心がけて、心して実行していきたいというふうに思っております。

外国人労働者政策のOECD報告書に関する質疑について

【記者】
 技能実習に代わる育成就労制度の創設を柱とする、入管法などの改正案について、昨日6日には首相が参議院法務委員会に出席するなど、審議が進められています。
 この外国人労働者の政策に関連して、OECDが先日、日本の外国人労働者政策に関して初めての報告書を公表しました。
 そこでは、技能実習で外国人労働者が来日前にブローカーに過剰な手数料を搾取されるケースが残っているという指摘であったり、転籍要件の緩和が求められた一方で、高度人材の定着率は欧州などと比べて高い傾向にあるとも評価されました。
 このOECDの報告書についての大臣の受け止めをお願いします。

【大臣】
 御指摘の報告書は、本年5月30日に「日本の外国人労働者政策に関するシンポジウム」の場において、この報告書の概要について、OECD側から口頭で報告・説明があったというふうに承知しております。
 また、この報告書の概要をまとめた資料が関係者に配布されていますが、報告書本文の公表はまだされていないようです。
 そういった状況ですけれども、技能実習制度における来日前の手数料等の問題や転籍制限については、まさに現在、本国会で審議中の法案において、中心的な課題として審議の対象となっております。
 この技能実習制度に代わる育成就労制度を創設することで、まず、一定の要件下で本人意向による転籍を認めること、また、外国人が送出機関に支払う手数料等が不当に高額とならないようにするための仕組みを導入することとしており、これらによって、こうした課題を解決して、外国人にとって魅力ある制度、選ばれる日本になることを目指しております。
 まさにOECDの指摘も踏まえて、今回の育成就労制度の創設を図ろうというふうに取り組んでいるところです。
 また、高度人材の関係ですけれども、我が国の経済社会の活性化、一層の国際化を図る観点から、専門的・技術的分野の外国人材受入れについては、積極的に推進しております。
 例えば、一定の学歴・職歴と年収を有する者を優先する「特別高度人材制度」と、海外の有名大学の卒業生を優遇する「未来創造人材制度」を創設するなどしてまいりました。
 これは、一定の評価をOECDで受けているようですけれども、こうした外国人材の受入れについては、高度人材、あるいは、育成就労の方を受け入れて、そして技術をさらに磨いていただくという部分も含めて、多様な御意見、考え方がありますけれども、引き続き、そうした御意見、御指摘にも耳を傾けながら、政府全体として、しっかり前を向いて、幅広く検討を行っていきたいというふうに思っています。

改正入管法の施行に関する質疑について

【記者】
 冒頭にもあった、来週月曜日から施行される改正入管法についてなんですけれども、根強い反対意見もまだある中での施行になります。
 改めてこの、運用にあたっての方針であったりとか、留意点について大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 確かに法改正の過程で様々な議論が昨年ありました。
 これはあくまでも私の個人的な考え方ですけれども、外国人の方々をどういうふうに、どこまで、どういう気持ちで受け入れようかということについて、日本の国民の中で、色々な見方、受け止め方や意見があり、そうしたものが法案審議の中で、様々な形で議論を闘わせることによって、一定の成熟を見て、最終的にはこうした法律が成立するということに至ったと思います。
 これからこの法律を施行していく中で、今回の技能実習制度の改正についてもそうですけれども、国の在り方として、外国人の方をどういうふうに、どこまで、どういう気持ちで、どうやって受け入れるのかということについて、これからもずっと考え続けなければなりませんし、様々な国民の声も、しっかりと幅広く我々は把握しなければなりません。そういう意味では、個人的な考え方ですけれども、まだまだ先のある話だというふうに受け止めています。
 したがって、よく施行状況を把握し、それについて、オープンに様々な御意見をいただき議論すること、また、国民にもそれを見ていただいて、議論に参画していただくことによって、言葉や字面だけではない、本当の意味での共生社会というものに、日本中の我々が入っていける、正しい適切な道筋が見つかると思うのです。
 今回の改正入管法はそうした道筋を見つけていくための大事なステップだというふうに思いますし、成立を期して審議をお願いしている育成就労制度の導入も、全く同じことだと思います。
 就労の面で国を開くという在り方について、大きな一歩であり、その一方で、これから様々な国民の意見や議論があり、国民の見方も意見も変わってくるであろうというふうに捉えています。
 そうした気持ちで、まずは法を適切に施行し、その状況をしっかり把握することから改めて始めていきたいと思います。

保護司殺害事件に関する質疑について

【記者】
 滋賀県大津市で先月、保護司の男性が殺害された事件についてお尋ねします。
 この事件で、男性が担当していた保護観察中の男が殺害に関与した疑いが強まったとして、滋賀県警が近く、本格捜査に乗り出す方針を固めたとの情報があります。
 いまだ捜査中であるということは承知の上でお聞きするんですけれども、長年こうして更生保護に尽力されてきた保護司の方が殺害されて命を落とすという今回の事態に対しての、大臣の受け止めをお聞かせいただきたいという一点と、安全対策などを含め、今後の法務省の対応についてもお聞かせください。

【大臣】
 滋賀県の大津市で、長く保護司をされ、熱心に活動に取り組んでいただいていた保護司の方が亡くなられたという報告は、受けております。
 まず、御冥福を心からお祈り申し上げ、御遺族の方にも心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 内容については、捜査機関が捜査をしている段階ですので、私からこの時点で、所感をお答えすることは差し控えたいと思いますが、長く頑張って、本当に一生懸命、熱心に取り組んでこられた、保護司としての活動をされてきた方ですので、亡くなられたことに対し、まず我々は大変心を痛めております。
 また、この捜査の進展を、心を痛めながら見守っているという状況です。
 様々なことがこれから明らかになってくると思いますが、あくまで一般論ですけれども、保護司の方が安全安心に活動できる環境を作っていくということが非常に重要であり、改めて、そのことに心を致し、環境整備に向けてしっかり取り組まねばならない、そういう気持ちでおります。

(以上)



出典:法務省 Webサイト
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00519.html