法務省|法務大臣閣議後記者会見の概要【令和6年5月24日(金)】

 今朝の閣議ですが、法務省案件としては、政令が1件、閣議決定されました。
 続いて私から、令和6年度の「こどもの人権SOSミニレター」事業の実施について御報告申し上げたいと思います。
 今日から、全国の小学校・中学校などの全児童・生徒約940万人を対象に、「こどもの人権SOSミニレター」の配布を開始いたします。
 このミニレターは、親や学校の先生など身近な人に相談できないこどもに、直接、悩み事はないですかと問いかけて、手紙の形でそれを受け取ります、というものです。
 こどもがミニレターに悩みごとを書いて、ポストに投函すると、人権擁護委員や法務局の職員がその全てに目を通し、一通一通丁寧に返事をしますし、また、必要な対応を図ることになります。
 実際にこれまでも、いじめや虐待などから救われたというこどもたちが数多くいるわけです。
 昨年度は、児童・生徒から、7,062通のミニレターを受領しました。
 内容としては、一般的な受験の悩みや、将来の夢に関する相談等、様々な幅があるわけですけれども、そういうものについても、一つ一つ丁寧に返事をしたためてまいりました。
 その中で、約400件ですが、いじめ、虐待、体罰などの人権侵害のおそれがあるものについては、人権侵犯事件として立件して、事案に応じて適切な措置を講じてきています。
 より具体的に申し上げれば、こうした事案のうち、生命・身体に危険がある場合には、学校・警察・児童相談所などと連携して、当該児童・生徒の安全を確保するとともに、関係機関と見守り体制を構築するということを行っています。
 また、いじめなどの事案については、学校等の対応に問題がある場合には、学校に対して事情をお聞きし、必要に応じて、対応を取ってもらいたいという要請を行うなどの措置をとっています。
 こどもたちからミニレターをもらうことに大きな意義がありますし、それに対して返事を書くことにも意味がありますが、最終的には、その中から救えるこどもたちを、できるだけ多く救っていかなければならない、そういう気持ちで、この事業を今年度も実施をしたいということで、今日からスタートさせていただきます。
 報道機関の皆様にも、ぜひこの趣旨を御理解いただいた上で、このミニレター事業の周知広報について、御協力をお願いできればありがたいと思います。

「不法就労等外国人対策の推進(改訂版)」に関する質疑について

【記者】
 法務省と出入国在留管理庁は先日、警察庁、厚生労働省と連名で、「不法就労等外国人対策の推進」の改訂版を公表しました。近年の不法就労外国人の特徴として、在留資格に応じた活動を行っていないケースや、濫用的な難民認定申請を行って就労する事例などを挙げ、関係省庁で連携して対応にあたることが明記されています。
 今後、これに基づいてどのような対策を行っていくのか、大臣の考えをお聞かせください。

【大臣】
 先週、5月16日に、「不法就労外国人対策等関係局長連絡会議」が開かれました。警察庁、法務省、入管庁、そして厚生労働省をメンバーとするものです。
 ここで、「不法就労等外国人対策の推進」改訂版について策定し、公表いたしました。
 この連絡会議は、平成4年に設置されたものであり、関係省庁の連絡を密にし、情報共有をより深めようということを目的として、運営されてきています。
 まず、今回の「不法就労等外国人対策の推進」ですけれども、改めて、関係省庁間で、不法就労等外国人問題の現状認識及び関係省庁が連携して対策に取り組むことの重要性の共有を図ることといたしました。
 また、関係省庁が緊密な連携のもと、例えば不法就労の助長事犯の取締り強化など不法就労等の撲滅に向けた取締りや、取締り強化に向けた緊密な情報交換、そして、不法就労防止に向けた広報・啓発活動及び指導の積極的な実施について、一層強力な推進も図っていこうということになりました。
 共生社会というのは、外国人に対して国を開き、適切な支援を行うと同時に、ルールを守っていただけない場合には、厳正に対処していくということも重要な柱の一つですので、共生社会の実現に向けてという大きな目標をしっかり掲げながら、この連絡会議での取決め及び行動方針に、法務省もしっかりと取り組んでいきたいと思います。

(以上)



出典:法務省 Webサイト
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00515.html