厚生労働省|令和4年の労働災害発生状況を公表

令和5年5月23日(火)

【照会先】

労働基準局 安全衛生部 安全課
課長          釜石 英雄
主任中央産業安全専門官 佐藤 誠
課長補佐        岩澤 俊輔
(代表電話) 03(5253)1111(内線5482)
(直通電話) 03(3595)3225

報道関係者各位

令和4年の労働災害発生状況を公表

~死亡者数は過去最少、休業4日以上の死傷者数は過去20年で最多~

 厚生労働省では、このたび、令和4年の労働災害発生状況を取りまとめましたので公表します。
 
 令和4年1月から12月までの新型コロナウイルス感染症への患によるものを除いた労働災害による死亡者数は774人(前年比4人減)と過去最少となりました。休業4日以上の死傷者数は132,355人(前年比1,769人増)と過去20年で最多となりました。
 また、新型コロナウイルス感染症への患による労働災害による死亡者数は17人(前年比72人減)、死傷者数は155,989人(前年比136,657人増)となりました。
 ※ 新型コロナウイルス感染症への患によるものを含めた労働災害による死亡者数は791人(前年比76人減)、休業4日以上の死傷者数は288,344人(前年比138,426人増)。

 労働災害を減少させるために国や事業者、労働者等が重点的に取り組む事項を定めた中期計画である「第14次労働災害防止計画」(以下「14次防」という。)(令和5年度~令和9年度)では、令和9年までに令和4年比で「建設業及び林業においてそれぞれ死亡災害を15%以上」、「製造業における機械によるはさまれ・巻き込まれの死傷者数を5%以上、陸上貨物運送事業の死傷者数を5%以上」減少させること等を目標にしています。
 
 計画の初年度となる令和5年度は、目標の達成に向け、労働者の作業行動に起因する労働災害対策、高年齢労働者、多様な働き方への対応や外国人労働者等の労働災害防止対策、陸上貨物運送業、建設業、製造業や林業への対策、労働者の健康確保対策、化学物質等による健康障害防止対策などに取り組んでいきます。

 また、全国安全週間(7月1日~7日)とその準備月間(6月1日~30日)では、厚生労働省、都道府県労働局から事業場、関係業界団体等に対して、積極的な労働災害防止活動の実施を働きかけます。

【令和4年労働災害発生状況の概要】※1

1死亡者数 ※2

  • 死亡者数は774人と、過去最少となった。第13次労働災害防止計画(以下「13次防」という。)(平成30年度~令和4年度)の重点業種は、建設業が281人(前年比3人・1.1%増、29年比42人・13.0%減)、製造業が140人(同9人・6.9%増、同20人・12.5%減)、林業が28人(同2人・6.7%減、同12人・30.0%減)となった。

2死傷者数 ※3

死傷者数は132,355人となり、過去20年で最多となった。

  • 13次防の重点業種は、陸上貨物運送事業が16,580人(前年比225人・1.4%増、29年比1,874人・12.7%増)、小売業が16,414人(同11人・0.067%減、同2,533人・18.2%増)、社会福祉施設が12,780人(同17人・0.13%減、同4,042人・46.3%増)、飲食店が5,304人(同559人・11.8%増、同583人・12.3%増)となった。
  • 事故の型別では、特に死傷者数が最多の「転倒」が35,295人(前年比1,623人・4.8%増、29年比6,985人・24.7%増)、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が20,879人(同103人・0.50%増、同4,702人・29.1%増)を合わせて全体の4割を超え、さらに増加した。   
  • 年齢別では、60歳以上が全死傷者数の約4分の1を占め、37,988人(前年比1,618人・4.4%増、29年比7,961人・26.5%増)となった。

3業種別の労働災害発生状況

製造業の死亡者数は、前年比で9人(6.9%)増加し、事故の型別では、機械等による「はさまれ・巻き込まれ」と「墜落・転落」が多くを占めている。

建設業の死亡者数は、令和2年以降増加に転じており、前年比で3人(1.1%)増加した。事故の型別では、「墜落・転落」(前年比6人・5.5%増、29年比19人・14.1%減)が最も多く、「激突され」(同8人・42.1%増、同4人・17.4%増)、「飛来・落下」(同6人・60.0%増、同3人・15.8%減)が前年比で大きく増加した。

林業の死亡者数は、事故の型別では、最多である「激突され」(前年比1人・6.7%増、29年比5人・23.8%減)等が前年比で増加したが、「飛来・落下」(同2人・50.0%減、同2人・50.0%減)が前年比で減少した。

陸上貨物運送事業の死傷者数は、事故の型別では、「墜落・転落」が4,294人(前年比202人・4.5%減、29年比102人・2.4%増)と最多で、「動作の反動・無理な動作」(同44人・1.5%減、同737人・33.5%増)は前年比で減少したが、「転倒」(同104人・3.7%増、同677人・30.2%増)は増加した。

小売業、社会福祉施設及び飲食店の死傷者数は、いずれの業種も事故の型別では、「転倒」が全数の3割以上を占め、多い。

※1死亡者数及び死傷者数は、いずれも新型コロナウイルス感染症への患による労働災害を除いたもの。

※2死亡災害報告をもとに、死亡者数を集計。

※3事業者から提出される労働者死傷病報告書をもとに、休業4日以上の死傷者数を集計。なお、これらの件数に通勤中に発生した災害の件数は含まない。



出典:厚生労働省 Webサイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33256.html