経済産業省|「グローバル競争力強化に向けたCX研究会」の報告書を公表します

グローバル競争時代に求められるコーポレート・トランスフォーメーション

経済産業

製造業を中心とした日本企業の更なるグローバル競争力強化に向けて、経済産業省は、「グローバル競争力強化に向けたCX研究会」を2023年12月より開催し、経営戦略の専門家や企業の変革を実務として担うCxO等の方々とともに、グローバル展開を進めている日本企業が置かれている現状分析と課題の特定、具体的な打ち手についての検討を行い、今回、報告書としてとりまとめました。

1.趣旨

この15年ほどの間に製造業を中心とした日本企業のグローバル化は急速に拡大し、その結果、収益は過去最高を更新する一方で、利益率では依然として米欧企業に劣後する状況が続いている。日本を中心とした従来型の経営は、自ら生み出したその変化に追いつけていないのではないか——そのような問題意識から、経済産業省は昨年12月に「グローバル競争力強化に向けたCX研究会」を立ち上げました。

CX研究会では、企業がグローバルに戦っていくため、コーポレートとして目指すべき姿とは何かという観点から、経営戦略の専門家や企業の変革を実務として担うCxO(Chief x Officer)等の方々とともに、ファイナンス、HR、デジタル、そしてグローバル経営を実行するための組織の在り方について議論してきました。

2.報告書の要点

報告書では、「グローバル競争力を強化していく上でなぜCX(コーポレート・トランスフォーメーション)が必要なのか」という点について、この20年間ほどの製造業を中心とした日本企業の活動等に関する定量分析結果とともに、様々な文献調査や企業へのインタビュー結果も踏まえた問題提起として整理しています。

また、「どのようにCXを実現していくべきか」という点については、日本を中心とした従来型のOSを革新するための原動力としての「パーパス・コアバリュー」を組織の設計思想の幹として、ヒト・モノ・カネ・データの経営資源配分を司る3つのコアファンクションとしてのファイナンス機能、HR機能、DX機能の目指すべき姿を整理しました。これらは、グローバルビジネス展開で先行してきた欧米企業の間で試行錯誤がなされる中で、一定の「型」に収斂してきています。本報告書は、日本企業のこれまでのやり方の良い部分も活かしながらも、海外現地法人を巻き込んだ、企業グループがあたかも1つの組織体であるかのように振る舞う、ワンカンパニーとしてのグローバル組織の動かし方を検討いただく上での1つの道標となるものです。

注意が必要な点は、必ずしも全ての企業が全方位的なCXに取り組む必要はないということです。グローバルマーケットへのアプローチには段階があり、また、製造業と一括りにはできず、提供する製品やサービスの質、さらには競争環境等に応じて、必要となる打ち手は異なります。しかしながら、マクロのトレンドで見れば世界経済の成長に対し貿易量が頭打ちになっており、セミ・グローバリゼーションの中で、マルチナショナルへの適合を図りながらもグローバルの統制をいかにかけていくかという課題には、海外売上比率が高まるにつれ、多くの日本企業が直面すると考えられます。本報告書が、経営層、コーポレート部門、事業部門など、さまざまな立場から企業を変えたい、変えなければならないと考えている方々の目に留まり、CX に挑戦する企業の一助となり、あるいは変革のきっかけとなることを期待します。

3.報告書

グローバル競争力強化に向けたCX研究会報告書―グローバル競争時代に求められるコーポレート・トランスフォーメーション

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担当

製造産業局総務課長 西山
製造産業戦略企画室長 川村
担当者: 片山、太田
電話:03-3501-1511(内線 3641)
メール: bzl-s-seizo-cx★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。



出典:経済産業省 Webサイト
https://www.meti.go.jp/press/2024/06/20240603008/20240603008.html